Dear-Natura甘草グラボノイドが「体脂肪の増加を抑える」とする根拠について調べてみた(前編)
Dear-Natura甘草グラボノイドって何?
Dear-Natura甘草グラボノイドは、「体脂肪の増加を抑える」という保健の目的が期待できるとして消費者庁に届出された機能性評価食品です。以下は届け出された基本情報です。
- 機能性関与成分:
- 甘草由来グラブリジン
- 届出番号:
- A19
- 届出表示:
- 本品には甘草由来グラブリジンが含まれます。甘草由来グラブリジンは体脂肪の増加を抑えることが報告されており、体脂肪が気になる方及び肥満気味の方に適しています。
- 主な対象者:
- 正常高値及び肥満1度(BMI 24以上30未満)の成人(未成年者、疾病に罹患している者、妊産婦(妊娠を計画している者を含む。) 及び授乳婦を除く。)を対象とする。
甘草由来グラブリジンがどのように働くのか
甘草由来グラブリジンの働く仕組みについて、届出情報の「作用機序」に説明があります。届出情報にある「作用機序」の説明は長いのですが、ポイントを箇条書で示しますが、正確には届出情報を参照ください。
- 脂肪合成の律速酵素ACC(アセチルCoAカルボキシラーゼ)、FAS(脂肪酸合成酵素)の活性低下(1)
- 脂肪分解の律速酵素ACD(アシルCoAデヒドロゲナーゼ)の活性増加(1)
- 脂肪合成酵素の正の転写因子SREBP-1c(脂質合成転写因子 SREBP-1c)の活性低下(2)
- 脂肪分解酵素の正の転写因子PPAR-α(α型ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体)の活性増加(2)
(1) Kamisoyama Hら 2008(PMID: 19060415)
(2) Honda Kら 2009(PMID: 20163621)
短くいうと、『甘草由来グラブリジンは脂肪酸の合成や分解に関与する酵素に働きかけ、体脂肪の増加を抑制する』ということです。
このことについて、Dear-Natura甘草グラボノイドの公式サイトは以下の図を示しています。
機能性の科学的根拠をみてみよう
公開されている情報から
ご存じのように、機能性食品としての届出の際、機能性の科学的根拠の提示が求められています。科学的根拠は、最終製品や機能性関与成分に関する研究レビューを行い評価することが基本ですが、十分な情報がない場合には臨床試験を実施することが求められます。
Dear-Natura 甘草グラボノイドでは、「機能性関与成分に関する研究レビュー」から機能性の科学的根拠を説明しています。根拠とする参考文献は2報です。ポイントを箇条書で示しますが、正確には届出情報を参照ください。
- 軽度肥満の日本人男女に機能性関与成分3 ㎎/日を12 週間摂取させた時、プラセボと比べて体重及びBMIの明確な増加抑制が見られた(3)。
- 軽度肥満の日本人男女に機能性関与成分 3,6,9 ㎎/日を8 週間摂取させた時、摂取前後またはプラセボ摂取群との比較で体重及び体脂肪が明確に低下した(4)。
- いずれの試験においても、機能性関与成分に起因する有害な変化はなかった(3,4)。
(1) Y Tominagaら 2006(http://doi.org/10.1248/jhs.52.672)
(2) Y Tominagaら 2009(PMID: 24345587)
つまり、甘草由来グラブリジンの機能の科学的根拠として、夕食前に3mg/日で摂取することにより、BMIの増加抑制、体脂肪量の増加抑制が確認されたと。このことについて、Dear-Natura甘草グラボノイドの公式サイトに以下の図が掲載されています。
次回、科学的根拠をみて私が考えたこと、感じたことを書きます。