OTC水虫薬について調べてみた
水虫とは
水虫とは、真菌(カビ)の一種である白癬菌が皮膚の角質層に感染・増殖して起こる皮膚の病気のことです。体や股、手にも感染しますが、足への感染が最も多いです。多くは春先から夏にかけて発症し、小胞、皮がむける、かゆみなどの症状を呈します。
足にできる水虫には、大きく3つのタイプがあります。
- 趾間(しかん)型:
- 足の指の間(特に中指と薬指の間)の皮がむけ、赤く湿って皮がむけたり、白くふやけてびらん状になるのが特徴。
- 小水疱型:
- 足の裏の土踏まずや辺縁に小さな水疱ができ、赤くなって皮膚がむけてくる。 強いかゆみが特徴。
- 角質増殖型:
- 足底、特に足の裏やかかとが乾燥し、角質が厚く硬くなり、皮膚がむけ、ひび割れを伴うことが特徴。
OTC医薬品の使用が適切かどうか判断しよう
水虫とよく似た症状を示す皮膚疾患として、汗疱性湿疹(小さな水泡が現れ、皮がむけて痒い)、掌蹠膿疱症(足裏に膿がたまった膿疱が数多くできる)、更年期角化症(足裏の角化)等があります。これらは白癬菌を原因とする症状ではないため、水虫薬では治りません。
爪の水虫(爪白癬)や頭部の水虫(しらくも)は、OTC水虫薬では効果が期待できません。糖尿病の方、ステロイドや免疫抑制剤を使用中の方は難治化しやすいため、また、患部が広範囲、陰のうや粘膜の方、化膿している方は医療機関を受診することをお勧めします。
OTC水虫薬の使用が適切なのは、足の水虫、いんきんたむし(股部白癬)、ぜにたむし(体部白癬)です。ただし、2~3週間使用しても効果を認めない場合は他の皮膚疾患の可能性があるため、医療機関を受診するようにします。
OTC水虫薬にはどのようなものがあるのか
OTC水虫薬には、抗白癬菌成分および鎮痒を含む複数の成分が配合されています。
分類 | 成分例 | 作用・特徴 |
---|---|---|
抗真菌成分 | ブテナフィン塩酸塩 | 白癬菌に対する強い抗菌作用 |
鎮痒成分 | クロタミン | 痒みを抑える |
角質軟化成分 | 尿素 | 角質を軟化する |
殺菌・消毒成分 | イソプロピルメチルフェノール | 皮膚表面を殺菌する |
抗炎症成分 | グリチルレチン酸 | 皮膚炎症を抑える |
OTC水虫薬の選び方や使い方で注意したいこと
OTC水虫薬の選び方
水虫薬には、クリーム剤、軟膏剤、液剤、スプレー剤等があり、患部の症状に合わせて剤型を選ぶとより効果が期待できます。下記は症状に合わせた選び方の一例です。
症状の例 | 剤型 | 特徴 |
---|---|---|
水泡ができ、つぶれていない | クリーム剤 | 患部に適量を塗りやすい |
鎮痒成分 | クロタミン | 痒みを抑える |
足指の間がジュクジュクしている | 軟膏剤 | 乾きが早い |
足指の間が乾燥してカサカサする | 液剤 | 細かい部分に使いやすい |
スプレー剤 | 手を汚さず、広い範囲に使える |
OTC水虫薬の使い方で注意したいこと
『エクシブ Wディープ10クリーム』の添付文書を一例として、添付文書の読み方を示しました。薬を安全に使うためには、添付文書をよく読み、内容を理解することが大切です。
セルフケアとして心がけたいこと
毎日の入浴で患部を清潔に保つこと、吸湿性のよい靴下をはき湿気を避けることが大切です。水虫薬は患部より少し広めに塗布すること、かゆみ等の症状が治まっても白癬菌が角質の奥深くに入りこんでいる可能性があるため1~2ヵ月継続して使用することが大切です。
さいごに
以上、A4サイズに治まる程度での水虫薬の勉強まとめでした。
実際の水虫薬選び、使用にあたっては、医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。
A4版は下のリンクから。PDFファイルが開きます。
OTC水虫薬について調べてみた