OTC胃腸薬について調べてみた
胃の働き、胃の症状
胃は食べ物を一時的に蓄え、胃液と混合するなどして腸から消化しやすくする働きがあります。胃液には、消化を助ける酵素、細菌を殺す強酸性の胃酸、そして酵素と胃酸から内面を保護する粘液が含まれます。
ストレスなどにより粘液による防御機能と胃酸などの攻撃因子のバランスが崩れると胃粘膜が損傷を受けると胃痛、暴飲暴食や加齢などにより胃の運動機能が低下すると胃もたれ、胃酸分泌過多になると胸やけといった様々な症状が現れます。
OTC医薬品の使用が適切かどうか判断しよう
激しい胃痛など症状が強い場合、何度も吐くなど症状が持続する場合、血便などの異常がみられる場合、OTC胃腸薬を服用しても症状が治まらない場合は速やかな受診を。また、左上腹部の痛みでは腎疾患の可能性、早朝に症状が出る場合は潰瘍の可能性など、発現部位や発現時間によって受診を考えた方がよい場合があります。
症状が軽い場合、暴飲暴食やストレスなど症状が起きた原因に心当たりがある場合などは、OTC胃腸薬で様子をみてよいと思います。
OTC胃腸薬にはどのようなものがあるのか
OTC胃腸薬には、様々な症状に応じた種々の成分が含まれています。また、これらの成分を含む胃腸薬の他、安中散や芍薬甘草湯のような漢方薬があります。
分類 | 成分例 | 作用・特徴 |
---|---|---|
胃酸分泌抑成分 | ファモチジン | 胃酸の分泌を抑制する |
制酸成分 | 酸化マグネシウム | 胃酸を中和し、酸度を下げる |
鎮痛・鎮痙成分 | カンゾウ | 胃の炎症を鎮め、胃粘膜を修復し、痛みを鎮める |
胃粘膜修復成分 | スクラルファート | 胃粘膜に保護膜を形成する |
健胃成分 | オウバク | 中枢神経を刺激し、唾液や胃液の分泌を促進する |
消化成分 | ジアスターゼ | 消化酵素 |
整腸成分 | ビフィズス菌 | 善玉菌を増やし、腸内環境を整える |
OTC胃腸薬の選び方や使い方で注意したいこと
OTC胃腸薬の選び方
胃酸過多の場合は胃酸分泌抑制成分や制酸成分を含む胃腸薬、食べすぎで胃がもたれる場合は消化成分を含む胃腸薬など、症状に合うOTC胃腸薬を選ぶことが大切です。
症状・特徴 | 成分・薬の例 | OTC胃腸薬と服用例 |
---|---|---|
食べすぎによる胃もたれ | 消化・健胃 | 太田胃酸A<錠剤>を食後に服用 |
ストレスが原因の胃痛 | 漢方薬 | ストレージIを服用 |
差し込むような痛み | 鎮痛鎮痙 | ブスコパンA錠を服用 |
胃酸過多で胸やけ、胃痛 | 胃酸分泌抑制 | ガスター10を就寝前に服用 |
胃が重い、吐き気がある | 健胃・消化 | 新セルベール整胃<錠>を食後に服用 |
様々な症状がある | 総合胃腸薬 | 第一三共胃腸薬を食後に服用 |
OTC胃腸薬の使い方で注意したいこと
『第一三共胃腸薬[細粒]a』の添付文書を一例として、添付文書の読み方を示しました。薬を安全に使うためには、添付文書をよく読み、内容を理解することが大切です。
セルフケアとして心がけたいこと
胃の負担を減らす食生活として、刺激の強いものを避ける、消化の良いものを選ぶ、暴飲暴食をしないよう気をつける。また、気分転換するなどしてストレスを溜めないことなど、心がけることが大切です。。
さいごに
以上、A4サイズに治まる程度での風邪薬の勉強まとめでした。
実際の胃腸薬選び、使用にあたっては、医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。
A4版は下のリンクから。PDFファイルが開きます。
OTC胃腸薬について調べてみた