[第19話]最終決断

2010年5月19日 土気の物件

仕事を午後半休にして、土気を訪れた。

6月末までに引越しするためには、早急に決める必要があった。

平日午後の訪問可否を営業担当者に尋ねると、問い合わせた日が休みにも関わらず応対してくれると言う。

「前回お越しいただいた際、帰り際にお話いただいた値引きについてお話させてください!」

これは期待できそう。

「いいと思ったら決めてきていいよ」

土気の家は、妻がとても気にいっている。

妻から事前了解を得て、納得のいく値引き額であれば決めるつもりで土気の家を訪問した。

営業担当者は、今回も土気駅まで迎えに来ていた。

車に乗り込むと雰囲気に「重さ」を感じる。営業担当の顔色が冴えない。

「家をもう一度見ますか?」

いらないよ、値引きの話を早くしたい。そのために土気に来たんだから。

「実は、▼万円の値引きが限界です。それ以上は無理です」

インフォメーションセンターに戻ってしばらくしてから営業担当はおもむろに切り出した。

「あれ!? 前回訪問時に値引き額より減ってないですか?」

「あの後確認したのですが、これが限界です。これ以上は無理です」

(心の声:「値引きについてお話させてください!」と期待を抱かせるような連絡は何だったんだ?先に伝えてくれれば、今日来なかったのに。)

値引き額の上乗せを想定していたので、これでは申し込みできない。

営業担当者は申込書を出してくる。

「こちらにご記入ください」

(心の声:この状態で記入できるわけない)

「妻に相談してからにさせてくれませんか」

「電話で今確認できませんか? 難しければ、記入だけしていただき、ご自宅で確認されて申し込みしないとなれば私が責任持っては破棄します」

申し込みすることになれば、営業担当者が私の都内の自宅を訪れて申し込みを記入するという約束をして帰宅した。

帰宅の家族相談(妻と2人。子どもは周囲をちょろちょろ)の結果、某市の家を購入することを決めた。

主な理由は、

@某市の西向きの家の西日が問題なかったこと

A土気の家の値引きが期待以下であったこと

B某市の家は周囲の住民が「見えた」が、土気の住民は「見えなかった」

C某市の家の営業担当に誠意を感じたが、土気の営業担当への不信感を拭い去ることができなかったこと

D某市の方が実家に近いこと

翌日、出勤の私に代わり妻が断りの電話を入れた。

「え!? ご主人はお気に入りの様子でしたが」

「だって、値引きは▼万円が限界なんですよね?」

「それなら▲万円値引きすれば購入してくれるんですか?」 

「それができないのでしょ」

「・・・」

私たちと土気の家との縁は無くなりました。

短期間だったが、内容の濃い私たちのマイホーム探しが終わりました。

 私たちのマイホーム探しについて

私たちは、諸事情により事前に勉強する時間的な余裕のないままマイホームを選ぶことになりました。

私たちは、まず、不動産・住宅サイトSUUMO「スーモ」を見て場所と物件の規模から価格傾向を知ることから始めました。短期間に転居するには建売物件しかないと考えたからです。

平行して下の本を読んでいれば、もっと理解が早かったかもです。

新版 家を買いたくなったら

「家を買おうかな」と思ったときにまず読む本

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