糖尿病の勉強

診断方法と合併症を知りたい

個人勉強のノートです。脇道に逸れ、途中下車しながらですが、病気、診断方法、治療方法、そして特に、開発中の新薬についてまとめます。

糖尿病の診断

血液を採取しての臨床検査の結果、下図(糖尿病診断のフォローチャート)の@~Cのいずれかの条件を満たすと「糖尿病型」と診断します。糖尿病型とは、検査時の血糖値が高く、糖尿病である可能性がある状態をいいます。この時の検査において、HbH1c値が6.1%以上(JDS)かつ、空腹時血糖値、糖負荷試験、随時血糖値のいずれか1つでも下図の条件に合う場合は糖尿病と診断されます。

食事、インスリンと血糖値の推移

糖尿病の人の血糖値の推移について、以下のイメージを使ってまとめてみます。

健康な人において、インスリンは食後に、肝臓の糖新生を抑制、骨格筋や肝臓での糖取り込みを促進、食事に伴い上昇した血糖値をコントロール(正常に低下させる)する働きがあります。糖尿病患者ではインスリンの量や作用が不足することにより、食後の血糖時上昇を抑えきれない食後高血糖、次の食事までに血糖値が正常域まで下がらない空腹時高血糖が見られます。

食後高血糖は、インスリン不足により肝臓、骨格筋や脂肪組織の糖取り込みが低下し、肝臓での糖新生抑制が低下するため、食事で摂取した糖が糖が必要以上に血液中存在する状態です。また、空腹時高血糖は、肝臓においてインスリンの糖新生抑制作用が十分ではないため、糖新生が亢進して血液中の糖が多くなり、次の食事までに血糖値が十分に下がっていない状態です。

これらに対して、低血糖は血糖値が下がりすぎた状態のことですが、発汗や集中力の低下、極端な場合は意識障害や昏睡状態に陥ることがあります。低血糖は、極端な食事制限や一部の血糖降下剤の副作用として発現するといわれます。

糖尿病での食事、インスリンと血糖値の関係のイメージ

糖尿病の怖さ〜合併症

糖尿病で何が怖いかと言えば合併症、とくに三大合併症と言われる糖尿病性網膜症。糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害です。このページを訪問する方はよくご存じだと思いますが、糖尿病網膜症や視力低下や悪ければ失明の危険があり、腎症になると腎臓機能の低下により老廃物を処理できなくなり人工透析が必要となる場合があり、神経障害は感覚が鈍くなることにより例えば足の壊死に気づかず足切断が必要となることがあります。

糖尿病になると喉の渇きや多尿などの自他覚症状があると言います。このサインから糖尿病と気づかず、長い間代謝異常の状態を放置していると、怖い合併症が生じ、そのとき初めて糖尿病だと気づく人も多いです。

どうして合併症が起こるのか

糖病病の合併症は、大きく小血管障害(微小血管障害)と大血管障害に分類できます。微小血管障害の代表は糖尿病の三大合併症であり、大血管障害には心筋梗塞や脳梗塞などがあります。合併症がなぜ起こるのか、糖尿病慢性期合併症(Wikipedia)をベースにまとめてみます。

1.微小血管障害

糖にはタンパク質を修飾する(他の化学物質~例えばリン~と結合することによりタンパク質の構造が変わり、特性が変える)作用があります。糖は細胞内に取り込まれると直ちに代謝されるため、修飾の対象は細胞外にあるタンパク質です。血糖値が高くなると修飾されるタンパク質が増えます。HbA1cはこのようなタンパク質の一つの例です。HbH1cは赤血球内のヘモグロビンがブドウ糖と反応した結果できた修飾体だそうです。
情報源:05-異常たんぱく質はなぜ増えるのか?

血糖値が高くなり、つまり、血液中の糖の濃度が高くなるとタンパク質修飾のため糖毒性が生じます。タンパク質修飾により、酵素や他のタンパク質の機能を低下し、細胞の代謝全体の悪影響を及ぼします。糖毒性の状態が長く続くと微小血管障害が生じます。なお、糖毒性とは、高血糖により生じたインスリン抵抗性やインスリン分泌不全の状態が膵臓に追加の負担を生じさせることにより、インスリン合成・分泌不全の障害を加速し、さらに高血糖が進むという悪循環のことをいいます。

別の説明(説?)もあります。こちらの方が分かりやすいように感じますが、ここには極簡略化して記します。詳細は情報源にアクセスください。

糖尿病性神経障害は、高血糖により細胞内で増加したソルビトールが末梢神経軸索を変性して刺激伝導が遅くなる。また、高血糖による血管障害(毛細血管の基底膜の肥厚)により血流が低下し、神経線維が脱落する。糖尿病性網膜症は、高血糖により遊離脂肪酸の増加、血小板粘着能の亢進することにより網膜の血流が減少し、毛細血管の閉塞を生じる。糖尿病性腎症は、網膜症同様に毛細血管の血流が減少し、腎糸球体が硬直することにより生じる。
情報源:糖尿病性神経障害

2.大血管障害

心筋梗塞や脳梗塞は、梗塞という字からも想像できますように、心臓や脳に栄養を供給する大きな血管が動脈硬化を起こし、詰まることにより、体の重要な臓器に血流(栄養)が届かない致死的な疾患です。この項は糖尿病なのでの説明としては、糖尿病を原因とするところを見ていきたいと思います。

糖尿病によりインスリンが欠乏すると、血液中の糖(エネルギー)を上手く取り込めないため、飢餓状態と同様に脂肪酸をエネルギー源として利用します。ホルモン感受性リパーゼにより脂肪分解が起こり、遊離脂肪酸が血液中に放出され、体重が減少します(糖尿病で体重が減少するのはこの理由によります)。

一方、リポ蛋白リパーゼの活性が低下し、VLDL(超低比重リポタンパク;ほとんどがTG)が異化されないこと、肝臓でのTG産生およびLDL-C生成が増加することから、高TG血症、高LDL-C血症となります。リポ蛋白リパーゼの活性が低下は同時にHDL生成の減少を来たし、低HDL血症の原因にもなると言われています。

この先、脂質異常によって生じた動脈硬化により、大血管の狭窄へとつながっていくのです。

糖尿病の薬(血糖降下剤)

下図のようなイメージになるのかな〜。糖尿病治療ガイドの図を基に整理を試みています。尿糖再吸収抑制薬というのは私の造語なので、適切な表現を見つけた後に修正します。ご了承ください。市販の糖尿病のくすりについて、もう少し調べた後に詳しい説明を作り、下図と一緒に公開するようにします。

[お断り] 当ページは、医学専門家ではない管理人個人の勉強ノートを公開したに過ぎません。従いまして、糖尿病について詳しく知りたい方は、専門書あるいは詳しい情報サイトをご覧ください。情報サイトですが、糖尿病リソースガイドメディ・マグ糖尿病などはその一例です。

Copyright (C) ふつおの休日 All rights reserved.