山あるきの記録
早朝、小屋の前で御来光を見ようと準備している人たちがいるので、子どもに「お日様が出るの見たい?」と聞くと「見たい」と言う。それではと、防寒対策としてカッパを着せて準備、外に出ましたがあまり寒く感じません。「もうあと3分で日の出だよ」と近くの方が教えてくれましたが、出てきたのは10分以上待ってから。10分以上も待つと寒くなってきました。今回、私はビデオ撮影、子どもは写真と役割を分担しましたが、子どもは「ちょっと違うなー」と言いながら、後で数えると20枚以上の写真を撮っていました。そんなに要らないんだけど...。
準備を済ませ、6:00前には出発。歩き始めてすぐ、写真を撮っていたときの元気がありません。晴れていて、山頂まで見えたので、「ほら、もう少し頑張ろう」と励まして歩きますが、9合目を過ぎると休みの回数と時間が増えていきます。それなのに、休憩の度に酸素を吸っている若い男性2名組や外国人家族と同じペースです。ってことは、子どものペースは悪くないってこと!?
山頂までコースタイム90分のところ、100分かかって着きました。「郵便局どこ?」幼稚園の先生、そして祖父母宛てのハガキを用意してきたのでポストを探しています。地図を見せながら、「郵便局はぐるっと周りながら20分くらい歩いたところだよ」と教えると「嫌だー」。もう登るのは嫌なようです。
それでも、ハガキは出したいので、お鉢を周りながら郵便局へ。世界遺産のスタンプも用意されており、それを宛先にドン!と押し、郵便局前のポストから投函しても登頂日の入った山頂の消印が付くことを確認して、お決まりのハガキ投函の写真&ビデオ撮影。ニコっと安心した表情の子どもに「あっちの一番高いところに行くよ」というと、涙ぐみながら「もう登りたくない。嫌」と動きません。「ここから20分で行けるし、大きくなってからあの時に行って良かった」と思うはずだから...とあれこれ言い含めて剣ヶ峰に向かいます。
ペースはゆっくり。言いかえれば、非常に遅い。「わざと?」と聞くと「わざとではない」という。疲れかな、仕方がないと思いながら、剣ヶ峰へ。剣ヶ峰への登りは急ですね。子どもが滑ってはいけないので、この急坂は手をつなぎながら登りました。
「てっぺんに来た記念のバッチを買ってあげようか」というと少しやる気が出てきたようでペースが上がりましたが、お店がお鉢を挟んで反対側と知ると「えー」とペースが遅れる。「疲れた〜」というので大休止。水、軽食を採り、一路お店へ。お店では「バッチいらない。この可愛い富士ちゃん(ちゃん?)が欲しい」というので、望みのものを買ってあげました。
下りのブルドーザー道に入ると...。子どもは山に来ると、下りを駆け下りるのが大好きなのですが、格好の下りに感じたらしく「ねぇ〜、走ろう〜」と言ってきます。「おまえ、疲れてるんだろ?」と聞いても「走るの!」というので一緒に駆けおります。が、単調なので飽きてきた。走りはしないものの、下りのペースは速い。「おまえ、疲れていたんじゃなかったのか?」
七合目の大陽館を過ぎ、雪上のように足を滑らせながら砂走りができるところまでくると、ペースは一段と上がる。前の人がジグザグに下ったり、怖がって下っているところを私たち2人は足を滑らせながらドンドン追い抜いてしまう。「お譲ちゃん、早いねー」には嬉しそうにしていましたが、「坊や、すごいねー」には「女の子なのに何で間違えるのー」と怒りながら、頂上から五合目まで2時間ちょっとで下ってしまいました。おかげで、12:00発御殿場駅行きのバスに乗ることができました。「疲れただろう?」と聞くと、「疲れてないよー」の返事。体力的には問題なく、登りが嫌なだけのようです。
今回、登山開始時に「ゴミ拾い手伝ってください」とゴミ袋を渡されていたのですが、子どもは登りで疲れているときでもゴミを見つけると「何でゴミを捨てるの!」と言いながら一所懸命拾い集めてくれました。「疲れているんだから、登ることに集中しなさい!」と言ってもゴミを拾い続けてくれました。引き受けたことを実行しようとする姿勢に親として、とてもうれしく感じました。(須走口でゴミ袋を渡したとき、満足そうな良い顔をしていました)
御殿場駅では、高速バスに乗る前に銭湯の人参湯で汗を流しました。駅から5分程度で行くことができ、富士登山の時期は12時から入浴できるので助かります。料金は財布に優しかったです。使い捨て用の石鹸、シャンプー、リンスを購入し、5歳の子どもと2人分の入浴料を合わせて520円でした。その上、不要となった開きペットボトルを捨ててよいと言っていただき、5本分を処分させていただきました。子どもは汗を流すことができ、さらに風呂上がりに牛乳を飲んでご機嫌でした。
山頂に立ち、8合目小屋から御来光を見てと大成功の富士登山でしたが、私は今回が最初で最後でいいかな。登山の対象として、私個人は面白さを感じませんでした。しかしながら、人参湯の方、御殿場駅の富士急バスの方など地元の方の優しさに触れ、この地域が好きになったので、遠くない将来、静岡県の『富士山がきれいに見える山』に登りに行きたいと考えています。
当日の子どもの格好
シャツ:普通の子ども服
パンツ:普通の子ども服
靴:タイオガブーツ Kid's
ザック:なし
写真
御来光は小屋の前から | 御来光で赤く染まった山頂 | 砂利道からスタートです |
下山中の休んでいる人が多い | ジグザグと登ってきました | 山頂まではもうちょっと |
鳥居まで着きました | 頂上奥宮でパチリ | お鉢めぐりに出発〜 |
用意してきたハガキを投函 | 剣ヶ峰、今から行くからな | 剣ヶ峰への登りは急です |
日本最高峰富士山剣ヶ峰 | 親子2人で登りました〜 | お釜の底が見えます |
長く、退屈な道 | 砂走りは楽しく駆けおりました | この日の夜から山小屋は混雑 |