槍穂縦走

槍穂縦走が私にとって初めてのアルプスであり、縦走と雪山が大好きな私の原点です。

ヤマケイJOYに踊らされた2000年夏
〜ある労山1年生のひと夏の経験〜

初夏の頃月だったと思う、ある雑誌に目を引かれた。その雑誌の表紙には笑顔の男女2人。その後ろには鋭角に尖った山が写っていた。当時、労山2ヶ月生の私はこの有名な山の名前も知らず、でもそれが当然であるかのようにこの雑誌を購入した。

“ヤマケイJOY夏”は北アルプスの特集記事が組まれていた。紹介されていたルートは全部で18くらいだったろうか。どのルートも写真入りで魅力がいっぱいに感じられた。北アルプス未体験の労山2ヶ月生は、どこへでもこの雑誌を携行する“信者”になった。そんな時であった。「槍穂に行かないか?」という話が舞い込んだのは。

槍穂縦走
2000年7月21日〜24日

初めての個人縦走。荷物を準備する際に「個人装備は忘れても共同装備は忘れるな!」冬山セミナー座学でのMuraさんの言葉が頭を過ぎる。何度もザックの中身を確かめてようやく家を出た。バスではほとんど眠ることができなかったが、興奮していたのか上高地では早朝からハイの状態だった。上高地の自然と美味しい空気が力を与えてくれたのかもしれない。

出だしから飛ばした。明神まで40分。いいペースだ。途中、多くの登山者を追い抜いたが、「こういうものなのか?」という印象。初日の目的地は殺生ヒュッテのテン場。距離が長いと言われていたが、大したことない。正直キツクない。むしろ、この1週間前、炎天下の中を当麻寺から葛城山まで13〜14kgの荷物担いで歩いた時の方がよっぽどキツかった。

2日目は朝一番で槍ヶ岳に登頂。ガスっていて視界は悪かったが、ヤマケイJOYの表紙の山を最初の登頂した満足感はあった。昨晩来、「天候が思わしくないので、大キレットをやめよう」とリーダーのMasuは口していたが、とりあえず南岳まで行って判断しようということになっている。労山2ヶ月生個人の気持ちとしては、ここまで来て大キレットを通らない手はないと思っていた。ヤマケイJOYの中に、大キレットは3大難所の1つと紹介されていたことも自分の気持ちを煽った。挑戦せずには帰れない!

南岳に着く頃には天候も回復。雲に覆われていた槍も姿を見せてくれた。「お前らがキレットを越えるところを見届けてやる」とでも言わんばかりに。大キレットは思ったよりも時間を要した。長谷川ピークまでは鼻歌を歌っていたが、飛騨泣きでは少し緊張。「真剣な顔してたよ」その顔をKiさんに見られてしまった。北穂の小屋でポカリを購入。あぁ、泡のある、喉ごしの良い飲み物が欲しい。しかし、我慢我慢。この日の目的地は涸沢テン場。もう少しの我慢。

3日目、この日は下山するだけ。Ishiさんと2人、河童橋まで4時間半で下り温泉に直行。久しぶりに入るお湯は気持ちがいい。ビールも美味かった。

 北アルプスへの交通手段:さわやか信州号

私は頻繁に北アルプスに出かけていましたが、そのときの移動は主に「さわやか信州号」や「急行ちくま」でした(関西在住だったので...)。

急行ちくまは臨時列車に格下げされ、その後はどうなったのか知りませんが、さわやか信州号は関西圏からも首都圏からも登山者を北アルプスに連れて行ってくれます。

予約は下からもできます。

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