エリブリンの臨床試験結果(肺癌)

2012年10月調べ

エリブリンの肺癌臨床試験結果についてまとめました。【個人勉強です】

タキサン感受性NSCLCで効果を示した

試験方法 タキサン製剤とプラチナ製剤の併用療法による治療歴のあるNSCLC患者を対象とした第Ⅱ相、オープン試験を実施した。患者はタキサン製剤への感受性(タキサン感受性:病勢進行>タキサン投与後90日、タキサン抵抗性:病勢進行≦タキサン投与後90日)により層別した。Eribulinは、21日サイクルの1日目と8日目に点滴静注した。主要評価項目は奏効率、無増悪生存期間(PFS)および生存期間(OS)は副次評価項目とした。

試験結果 66例が登録された。奏効率は5%であり、効果持続期間中央値は7.8ヵ月だった、タキサン感受性では、PR 7%(3/45例)、SD 24%(11/45例)だった。一方、タキサン抵抗性では、PRは0例、SDは19%(4/21例)だった。PFS中央値は、タキサン感受性が2.9ヵ月であるのに対してタキサン抵抗性では1.2ヵ月だった。また、生存期間中央値は、それぞれ、12.6ヵ月および8.9ヵ月であった。安全性所見として血液毒性が認められ、2例でグレード3の毒性を発現した。。

参照情報(PubMed) A phase II study of halichondrin B analog eribulin mesylate (E7389) in patients with advanced non-small cell lung cancer previously treated with a taxane: a California cancer consortium trial.

Gitlitz BJ, et.al., J Thorac Oncol. 2012 Mar;7(3):574-8.

エリブリンの臨床1b試験で忍容性を確認

日経メディカルオンラインの記事へのリンクを貼り付けておきます。

進行非小細胞肺癌に対するエリブリンとペメトレキセドの併用はフェーズ1b試験で忍容性が良好、フェーズ2試験へ【IASLC2011】(日経メディカルオンライン)

その他の臨床試験結果例(後日、気が向いたら日本語書きます)

参照情報(PubMed) A phase II study of eribulin mesylate (E7389) in patients with advanced, previously treated non-small-cell lung cancer.

Spira AI, et.al., Clin Lung Cancer. 2012 Jan;13(1):31-8.

 くすりの勉強について

周囲の親しい複数の知人たちが様々な病気を患っています。知人たちの病気を治す治療薬について情報を得たいと考え、細々と勉強を始めました。このため、私の勉強の中心は現在汎用されている薬に加え、臨床試験段階にある薬が中心です。

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今日の治療薬2012

くすりの事典―病院からもらった薬がよくわかる〈2012年版〉

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