モテサニブ併用投与はCBDCA＋PTXと比べOSを有意に改善せず
試験方法 全身療法歴のないステージIIIB/IVまたは再発性非扁平上皮非小細胞肺癌患者を対象にモテサニブの効果を検討した。患者は、カルボプラチン（AUC 6mg/ml/min）、パクリタキセル（200 mg/m2）にモテサニブ125 mg/日（A群）併用投与またはプラセボ（B群）併用投与のいずれかに無作為割付された。投与期間は、6サイクル（3週間/サイクル）までとした。主要評価項目はOS、副次的評価項目はPFS、ORR、有害事象およびPLGFの変化とOSの関連性の検討とした。
試験結果 1090例の非扁平上皮非小細胞肺癌患者が、A群541例、B群549例に割り付けられた。このうち、890例は腺癌（A群448例、B群442例）だった。OS中央値は、A群13.0ヵ月、B群11.0ヵ月（HR=0.90; 95% CI, 0.78 to 1.04; P=0.14）だった。また、PFS中央値はA群5.6ヵ月およびB群5.4ヵ月、ORRはA群40%およびB群26%（p<0.001）であった。PLGFとOSとの間に相関性は認められなかった。グレード3以上の有害事象発現率は、A群73%およびB群59%、グレード5以上になるとA群14%およびB群9%であった。
参照情報（PubMed） International, randomized, placebo-controlled, double-blind phase III study of motesanib plus carboplatin/paclitaxel in patients with advanced nonsquamous non-small-cell lung cancer: MONET1.
Scagliotti GV, et.al., J Clin Oncol. 2012 Aug 10;30(23):2829-36.
モテサニブ併用治療はベバシズマブ併用投与と同様の効果
試験方法 化学療法の治療歴のない非扁平上皮非小細胞肺癌患者にパクリタキセル＋カルボプラチン（CP）にモテサニブまたはベバシズマブのいずれかを併用投与して奏効率（ORR）を比較検討する第Ⅱ相試験を実施した。186例の患者は、CP＋モテサニブ 125mg/日（A群）、CP＋モテサニブ 75mg 1日2回投与の5日連続投与と2日間休薬（B群）、CP+ベバシズマブ 15mg/kgの3週毎投与（C群）のいずれかに割り付けられた。副次的評価項目は、PFS、OS、薬物動態の検討、有害事象の評価とした。
試験結果 A~C群のORRは、それぞれ、A群30%（95%CI： 18-43%）、B群23%（13-36%）、C群37%（25-50%）だった。また、PFS中央値およびOS中央値は、それぞれ、PFS：7.7ヵ月、5.8ヵ月、8.3ヵ月および14.0ヵ月、12.8ヵ月、14.0ヵ月であった。A群およびB群における有害事象発現率はC群よりも高かった。病勢進行と関連のないグレード5の有害事象は、B群の10例がA群およびC群の4例よりも多かった。
参照情報（PubMed） International, randomized, placebo-controlled, double-blind phase III study of motesanib plus carboplatin/paclitaxel in patients with advanced nonsquamous non-small-cell lung cancer: MONET1.
Scagliotti GV, et.al., J Clin Oncol. 2012 Aug 10;30(23):2829-36.
開発中断と再開
モテサニブの非小細胞肺癌患者を対象とした臨床第3相試験は一時中断しましたが、その後に再開されています。このことに関する武田薬品のプレスリリースへのリンクを貼り付けておきます。
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