ニモツズマブの臨床試験結果(肺癌)

2012年10月調べ

ニモツズマブの肺癌臨床試験結果についてまとめました。【個人勉強です】

ニモツズマブの放射線治療同時併用療法時の忍容性が確認された

試験方法 根治的放射線治療または化学放射線療法が非適応のステージIIB、IIIまたは IVの非小細胞肺癌患者に対して、姑息的放射線治療へのニモツマブ併用の実用性を検討した。ニモツマブは100mg/週、200mg/週または400mg/週のいずれかを8週間投与、放射線照射は1回3Gyで総線量30または36Gyとした。腫瘍縮小効果やSDが得られた場合は、10週目から病勢進行あるいは毒性発現までニモツマブを隔週投与してもよいこととした。

試験結果 登録した18例の6例が100mg、7例が200mg、5例が400mgのニモツマブ投与を受けた。患者の肺癌ステージは、IIIA、IIIB、IVがそれぞれ 2例、7例、9例だった。ECOGスコア2が5例、9例が腺癌だった。主な有害事象は、倦怠感、食欲不振、悪寒、疼痛および低リン酸血症であり、ほとんどがグレード1~2だった。本試験では重度の皮膚症状やアレルギー症状は認められず、用量依存的な毒性発現もなかった。放射線照射部位の奏効率および病勢コントロール率は、それぞれ66%および94%であった。

参照情報(PubMed) Phase I clinical trial of the anti-EGFR monoclonal antibody nimotuzumab with concurrent external thoracic radiotherapy in Canadian patients diagnosed with stage IIb, III or IV non-small cell lung cancer unsuitable for radical therapy.

Bebb G, et.al., Cancer Chemother Pharmacol. 2011 Apr;67(4):837-45.

ニモツズマブ

切除不能局所進行非小細胞肺癌に対する同時化学放射線療法とニモツズマブの併用療法が有効な可能性があると学会発表されています。

切除不能局所進行NSCLCにCRTとnimotuzumab併用が有効な可能性、特に扁平上皮癌で有望【EMCC2011】(日経メディカルオンライン)

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今日の治療薬2012

くすりの事典―病院からもらった薬がよくわかる〈2012年版〉

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