アログリプチンの臨床試験結果

2012年10月調べ

アログリプチンの臨床試験結果についてまとめました。【個人勉強です】

alogliptinの4用量は有意に血糖値を改善

試験方法 食事や運動で血糖値が管理不十分かつ薬物治療歴のない日本人2型糖尿病患者を対象として、alogliptinの有効性および安全性をプラセボおよびボグリボースと比較する二重盲検試験を実施した。480例(HbA1c ≥6.9% to <10.4%)はalogliptin 6.25mg、12.5mg、25mg、50 mgの1日1回投与またはプラセボ、ボグリボーズのいずれかの12週間投与を受けた。患者は、12週投与後、さらに40週間同じ薬剤の投与を受けた(プラセボ群はalogliptinのいずれかの用量の再割り付けした)。

試験結果 ベースラインと比べた12週後におけるHbA1cの変動は、alogliptinすべての用量においてプラセボおよびボグリボーズよりも有意に有意に大きかった。さらに、食前、食後血糖値の変化は、プラセボ群ではalogliptin投与群よりも有意に大きかった。52週間通して、alogliptinの有害事象発現率に用量依存性を認めなかった。低血糖はほとんど認められず、発現例では軽度であった。alogliptin群の体重減少は0.5kg未満であり、臨床的に意味のあるものではなかった。

参照情報(PubMed) Efficacy and safety of alogliptin in Japanese patients with type 2 diabetes mellitus: a randomized, double-blind, dose-ranging comparison with placebo, followed by a long-term extension study.

Seino Y, et. al, Curr Med Res Opin. 2011 Sep;27(9):1781-92.

アクトスとの併用時にアクトスよりも良好な血糖値管理

試験方法 アクトスおよび食事・運動療法で良好な血糖値管理ができていない日本人2型糖尿病患者を対象にして、anagliptinとアクトスの併用時とアクトス単剤投与時の有効性および安全性を無作為二重盲検試験を実施した。16週間のスクリーニング期間、患者はアクトス1日15mgまたは30mgおよび食事・運動療法を受けた。HbA1c値が6.9-10.4%の患者をanagliptin 12.5mg、25mgまたはプラセボ群に割り付け、アクトスとともに12週間投与した。12週後、患者が希望すればさらに40週間同じ治療(プラセボ群はanagliptin 2用量のいずれかに再割り付け)を継続できることとした。

試験結果 ベースラインと比べた12週後におけるHbA1cの変動は、alogliptin併用投与群においてアクトス単独投与よりも有意に大きかった。反応率(HbA1c <6.9% and HbA1c <6.2%)および食前、食後の血糖値でも同様の結果が得られ、全投与期間(52週間)を通じてこの傾向を認めた。忍容性は良好であり、低血糖はほとんど認めず体重変化は最小限だった。

参照情報(PubMed) Efficacy and safety of alogliptin added to pioglitazone in Japanese patients with type 2 diabetes: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial with an open-label long-term extension study.

Kaku K, et. al., Diabetes Obes Metab. 2011 Nov;13(11):1028-35.

アログリプチンの国内承認

アログリプチン(ネシーナ錠)は2010年4月16日に国内3番目のDDP-4阻害剤として承認されています。また、アクトスとの合剤(リオベル配合錠)は2011年7月1日に承認されています。

製薬協のページを2012/10/15 10:11amに見直したところ、「最終更新日 2009/12/24 18:54」と記載がありました。それでこれらの薬剤が「開発中」になっていた訳が分かりました。

その他の臨床試験結果

参照情報(ライフサイエンス出版 Efficacy and Safety of Anagliptin Add-on Therapy in Japanese Patients with Type 2 Diabetes -Placebo-controlled, Double-blind, Parallel-group Study with an Open-label, Long-term Extension-

K. Kaku, Jpn Pharmacol Ther 2012 40(9) 745-70

2012.10.12現在、anagliptinに関する投稿論文をPubMed上では確認できませんでした。Jpn Pharmacol Therの同じ号には、あともう1つ別の試験論文が掲載されています。

新薬開発状況を調べてみた

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