山での道迷い経験

何とかなるだろう?という気持ちは危険の始まり。

山で道に迷った経験

山で道に迷ったことはありませんか?恥ずかしながら、私はルートを大きく外れ、山の反対側に下りてしまったことがあります。右はその時に持ち歩いていた「分県登山ガイド滋賀県の山(山と渓谷社)」の中にある地図ですが、赤い線がルートです。岳山の方から岩阿沙利山を経て滝山の方向に歩くはずが下山した先は鹿ヶ瀬でした。

なぜ、ルートを大きく外れて鹿ヶ瀬に下山してしまったのでしょうか。

過去に通ったルートでも安心できない

右の地図には記載されていませんが、岩阿沙利山には仏岩という見晴らしの良い大きな岩があります。この日、仏岩で眺望を楽しんだ後、元の道を引き返さずにルートに戻れそうな道を探し始めました(岩を回り込めば戻れそうに思えたのです)。気がつくと、仏岩から遠ざかっているような気がしたため引き返そうとすると別の2人組がやってきました。話を聞くと地元の山岳会の人でこのルートは何度も歩いているとのこと。2人組がルートに間違いないという言葉を信じてついて行くと...岩場のような箇所を下ったり、藪こぎをしたり...最終的には、しっかりとした道に出て安心したのもつかの間、しばらく行くと鹿ヶ瀬のバス停でした。2人組もルートを間違えていました。この時の季節は秋。落ち葉のため、分岐を間違えたと言っていました。

このときは、途中で沢のような危険な箇所がなかったことが幸いでした。しかし、引き返そう考えたときに引き返さなかったことは遭難の第一歩だったのです。このときは、たまたま運がよかったに過ぎません。途中で引き返そうと思いながら先に進んだこと、地図はあってもコンパスがなく方角の確認ができなかったこと、そして何よりも何度もルートを通ったという地元の2人組を安易に信じてしまったことが反省点でした。

何とかなるだろう?という気持ちは危険の始まり

実はこの日の山あるきは知人と2人で出かけており、知人は昭文社の地図(右図-該当箇所を抜粋)を持参していました。この地図から、岩阿沙利山から20分も歩けば林道を通ることが分かります。林道と交差しないことに気づいてはいましたが、引き返す気になれませんでした。合計4名のパーティとなった安心感と「いずれ道にでるだろう」という甘い予測からです。

この「何とかなるだろう」という気持ちが時に大きな事故につながるのです。もう少し北の方向に歩いていたら滝や岩場で行き詰っていたかもしれないのです。

地図を読む

下山後、その日のうちにシルバコンパスを購入しました。ルートを外れたことは分かっていても、歩いている方向すら把握していなかった反省からです。コンパスがあれば方角が分かります。でも、どうやって自分のいる位置を知るのでしょうか?どうやって自分が正しいルート上にいることを確認するのでしょうか。それらの確認には読図の力が必要です。(別のところで説明します)

しかしながら、この時の山あるきであれば、読図の知識があればコンパスがなくても迷うことがありませんでした。右図では少し見づらいですが、仏岩から鹿ヶ瀬の方向は比較的等高線が狭くて急であることが分かります。また、壁岩のマークも所々にあります。一方、赤い線で示されたルートは尾根上にあり、等高線の間隔も比較的緩やかです(歩いていて、傾斜も緩やかになります)。地図を読むことができていれば、岩場を歩たときに北か北西に向かっていることから頑張って歩いても目的地に着かないことは一目瞭然です。

地図の読み方を次のページから一緒に勉強していきたいと思います。

余談

シルバコンパスを買った店で見つけた山の講習会のチラシをきっかけとなって、山の会に所属することになり、山の先輩方からいろいろと学ぶことが出来ました。

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