道に迷ってしまったら
道に迷ったと気づいたら、その時点で元の道に引き返すこと。道が分からないまま進むことは事故を大きくし、捜索を困難にします。特に、沢には近づかないこと!「道に迷ったら沢に入ってはいけない」と知りながら入る人が多いようです。「自分は大丈夫」と思わずに、注意を払いましょう。滑落等により引き返せない場合、高いところ目指して登るか(たいてい、ピークにはルートがついている)、その場から動かないで派手なもの(テントやカッパ)を広げて人やヘリの注意を引くようにする。遭難となってしまった場合、食料は可能な限り切り詰め、捜索隊に発見されるまで頑張る。生きていれば必ず救助される。
いずれにせよ、道に迷わないことが一番。
迷わないための、地図読みでの注意点
稜線を歩くと当然ながらピークを通ります。ピークを通るというのは実際には正しくないことが多く、稜線の道はピークを巻くことが多いのです。冒頭での私の道迷いも仏岩という大きな岩を巻くときに道間違いが起きました。その意味から、ピークを巻くとき、あるいはトラバースするときの現在地確認には注意が必要です。
また、ピークを通過したとき、ピークにはいくつかの尾根があり、踏み後(やルート)があちこちに残されていることがあります。ピークから尾根上の道に入るときも注意が必要です。同様に尾根から支尾根が出ている場合、誤って支尾根に入り込んでしまう危険性があります。ピークや支尾根がある場合には現在地を確認し、正しいルートを通るように心がけましょう。ピークや支尾根は現在地確認が比較的しやすい場所なのですから。
現在地はどこだ?
現在地に関する情報は、正しいルートに戻るため(正しいルートを通るため)、遭難時には救助隊に自分の居場所を知らせるために大切な情報です。現在地を確認するための材料は下記の7つあります。
- 今いるところは尾根か、沢か、斜面か、ピークか?
- 道は上っているか、下っているか、水平か?
- 傾斜は急か、緩やかか?
- 道の通っている方向(東西南北)は?
- その場所から、またはその付近から尾根や沢が派生していないか?
- はっきりと現在位置がわかるところからの距離は?
- 標高のはっきり分かる場所は近くにないか?