地図を読む

地形図から読み取れる情報です。地図読みの基本となるので、しっかり理解する必要があります。

2万5000分の1地形図からの情報

地図の基礎知識でお分かりのように、2万5000分の1地形図は、等高線をメインとして描かれ、それに地図記号が加えられたものです。昭文社のエアリアマップのうように山あるきコースタイムやコースに関する情報はありません。しかしながら、2万5000分の1地形図では、この等高線で描かれた情報から山あるきに必要な様々な情報を得ることができます。この頁では、これらの情報(尾根や沢など)の見方、地図読みの方法について勉強します。

等高線、尾根と沢

先ほども書きましたように、2万5000分の1地形図は、等高線で描かれた地図です。等高線は、同じ高さを結んだ線ですが、2万5000分の1地形図では10m間隔で引かれています。また、50m毎に太い線となっています。この等高線で表される特徴は、概念的には右図のようになります。

ピーク
等高線が丸く閉じた場所です。前ページ右の地形図では小女郎峠から北東の方向に3つ見えます。
尾根
ピークから外側に向けて等高線が膨らんだ形をしています。前ページ右の地形図では、小女郎峠から南東に大きな尾根があります。見つけることができますか?小女郎峠から右下に延びた点線(登山道)と平行して北側に尾根があります。
沢(谷)
等高線がピークの方に向かって喰い込んだ形をしています。谷は水の侵食で作られ、周囲よりも高度が低くなります。前ページ右の地形図では小女郎峠から南東方向の谷に沿って登山道があります。
稜線
ピークとピークを結ぶ尾根を稜線といいます。前ページ右の地形図では小女郎峠から北東方向の稜線に沿って登山道があります。
コル(鞍部)
稜線上にある低い地形です。沢はコルに向かっても食い込んだ形をしています。

等高線の混雑について

等高線から得られる情報として、もう一つ覚えて欲しいことは等高線の混雑具合の見極めです。

等高線の間隔が狭いほど急な傾斜となり、間隔が広くなるほどゆるやかとなります。上の模式図を見てもらえれば理解いただけると思います。左端の急斜面では等高線の間隔が狭く、右端の緩斜面では等高線の間隔が広くなっています。等高線の混み具合による地形の変化は読図においてとても重要な情報なのです。

先の2万5000分の1地形図でも確認してみましょう。小女郎峠を挟んで南東と北西では等高線の間隔が全く異なります。南東では等高線の間隔が狭く、南東方向から小女郎峠に向かう道は急登ですが、小女郎峠から小女郎ヶ池へはほぼ平らな道になります。2万5000分の1地形図では、地図上の1cmが約250mに相当します。南東方向から小女郎峠を経て小女郎ヶ池に向かう場合、小女郎峠手前では水平距離250mの間に100m上がりますが、小女郎峠から小女郎ヶ池への道は水平距離250mの間に10m程度下がるだけです。

2万5000分の1地形図の読み方

ここまでの話から、地形図を使って読み取ることのできる情報を下記にまとめます。随分多くの情報が得られることがお分かりになるかと思います。

  • 等高線から、土地の形状が読める。
  • 等高線の間隔から、土地の傾斜が読める。
  • 等高線の凹凸から尾根と沢筋(谷)が読める。
  • 等高線から山の形が読める。
  • 等高線から尾根の形が読める。(例:広い尾根、狭い尾根など)
  • 等高線から沢筋(谷)が読める。(例:広い沢、源流、出合など)

では、実際の例で見てみましょう。地図は前頁(地図の基礎知識)と同じものです。

左の地図には地形の特徴を記しました。左下から右上にかけて延びる稜線の両側で等高線の幅が異なることに特徴があります。右側は込み合っており斜面は急です。薄い赤色の線は尾根、薄い青色の線は沢です。尾根は高度が下がるにつれて枝分かれし、沢は高度が下がるにつれて1本にまとまる様子が見てとれます。また、小女郎峠に突き上げるルートは沢に沿ってつけられており、稜線に出るまでは急坂であることが読み取れます。

右の地図では、読図の教科書の真似をして、特徴的な地形を説明します。@この地図の内では比較的広い沢です。A左に折れ沢を外れます(沢の"右岸"にルートがあります)。B沢が分岐します(出合といいます)。C等高線の間隔が狭くなり、坂が急になります。D沢が分岐します。左の沢は狭く急な特徴があります。E沢が分岐します。F稜線に出ました。Gルートは小ピークの右側です。H小ピーク(緩い傾斜を登ったところ)です。

地形図からは、ざっとこのような情報を得ることができます。地形図とコンパスを用いた現在地の確認については、別ページに書きます。また、このページに地図読みのコツを追記してしまったので、準備出来次第、次ページには地図読みの問題を出しますね。

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