SGLT2阻害薬のまとめ

(2013年6月)

糖尿病の治療薬(とその限界)

現在、糖尿病の治療薬は、スルホニル尿素薬、αグルコシダーゼ阻害薬、チアゾリジン誘導体、ビグアナイド系薬剤、インスリン製剤に、近年インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬、GLP-1受容体拮抗薬)が加わり、多様化が進んでいる。

これらは血糖コントロールに有用であるが、一方では、スルホニル尿素薬はインスリン基礎分泌を促進するため低血糖を生じやすく体重も増加する1)、チアゾリジン薬は体液貯留や浮腫などの副作用があり、また、脂肪細胞への糖の取り込みを促進するため肥満を助長しやすい2,3)など、管理が難しい一面も有する。

肥満が助長されるとインスリン抵抗性が増大し、適切な血糖コントロールのため治療薬の増量や、クラスの異なる血糖降下剤を併用することが行われる。

糖尿病治療薬の特徴(イメージ)

※尿糖再吸収抑制薬は、管理人の「造語」です。正式な名称ではありません。

糖尿病の治療においては、治療目標として血糖管理の指標が設定されている4,5)。しかしながら、2010年頃の調査では、血糖値が適切にコントロールされている糖尿病患者は、欧米で20%~40%程度6)、日本では30%程度との報告があり7)、残りの60%~80%の患者は目標管理値を達成できていない。

References

1)   UK Prospective Diabetes Study (UKPDS) Group. Lancet 1998

2)   Schwartz AV. PPAR Res 2006

3)   Bełtowski J, et al. PPAR Res 2013

4)   糖尿病治療ガイド

5)   ADA Clinical Practice Recommendations - Diabetes Care

6)   Ali MK, et al.N Engl J Med. 2013

7)   日本生活習慣病予防協会


《お断り》

このまとめですが、ネットで『無料』で閲覧できる多彩な情報を基に、情報を絞ったまとめを「試しに」作成しています。無料で閲覧できない論文は、アブストラクトに記載された情報を参考にしています(が限界があります)。

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